
ランドセルの必要な性能のひとつ「背負いやすさ」、
その要ともいえる本体と肩ひもを繋ぐパーツが『背カン』です。
こちらでは、そんな性能に大きな影響を与えてくれる
ランドセルの背カンについてご紹介いたします。
「どこを見れば良いのか」など背カンの比較ポイントも解説いたしますので、
ぜひランドセル選びの参考にしてみてください。
目次
ランドセルの背カンの3つの比較するポイント
ランドセルに使用されている背カンは、
『天使のはね』、『フィットちゃん』など有名なものから
あまり知られていないものまで様々な種類があります。
それぞれの背カンについて特徴などをご紹介していきたいのですが、
まずその前に「比較するときにどこをチェックすれば良いのか」
そのポイントからご紹介していきます。
なぜ、こんな回りくどいことをするかというと、
実は背カンは『フィットちゃん』と同じ名前が付いているものでも、
取り扱うメーカーブランドによって
『素材』や『形状』が違い若干性能なども変わってしまうからなのです。
その為、名前ごとの比較が難しく、
きちんとお答えするためにも、
まずは「どこを見るべきなのか」を知っていただきたいのです。
前置きが長くなりましたが、
それではさっそく背カンの比較ポイントを
3つに分けて順番にご紹介していきます。
背カンの比較ポイント①「肩ひもの稼動方式」
背カンには肩ひもの稼動方式つまり、
『動き方』に違いがあります。
そんな動き方の違いで、
次の3つのタイプに分けることができます。
- 連動スライド型
- 非連動スライド型
- 固定型
肩ひもの動き方は、
ランドセルの『背負いやすさ』に直結する機能です。
それぞれの稼動方式では、
どのように背負いやすさに変化が出るのか比較しながらご紹介していきます。
○連動スライド型
連動スライド型は、
両肩ひもの付け根が左右に連動して拡がり、
中心に戻ろうとします。
特徴ランドセルが常に身体の中心になるような仕組みで、
激しく動いても安定して背負うことが出来ます。
教科書などをいれた重いランドセルに振られてしまいそうな小さな身体のお子さまや、
身体にかかる負担の大きい通学時間が長いお子さまにおすすめの背カンです。
○非連動スライド型
非連動スライド型は、
両肩ひもの付け根がそれぞれ別々に左右に拡がり、
中心に戻ろうとします。
左右別々に稼動することで身体にフィットしやすく、
ランドセルの背負い降ろしも簡単です。
連動スライド型と比較すると『安定感』は下がりますが、
いろんな体型のお子さまにも合わせやすく、
着脱のしやすさから身体の大きなお子さまにとくにおすすめです。
- フィットちゃん
- キッズアミ
- イオン
- 萬勇鞄
など
○固定型
固定型は、
従来のランドセルに使われていたもので、
その名前のとおり肩ひもは稼動しません。
肩ひもの長さをしっかり合わせ、
ピッタリと背負うことでランドセルがブレにくくなり安定します。
しかし、スライド型のものと比較すると
窮屈でランドセルの着脱しにくくなります。
安定させる為にピッタリと背負わせるには、
お子さまもしっかりした体格が必要になります。
身体が小さかったり細いお子さまには、
どうしても隙間やズレがでてしまいますので、
あまりオススメはできません。
また、身体の大きなお子さまでも、
ピッタリと背負うことで
ランドセルのパーツが身体に食い込ン出しまうことも多く、
痛いと感じるお子さまもいますので、
しっかり試着する必要があります。
背カンの比較ポイント②「立ち上がりベルト機能の有無」
二つ目の比較ポイントは、
「背カンに肩ひもを立たせる機能が付いているか」になります。
これは主にランドセルの『体感重量』に関わる機能になります。
現在ランドセルには、
肩ひもの付け根を立たせる機能が「搭載されたもの」と、
「搭載されていないもの」の2つがあります。
この機能のことを当サイトでは
「立ち上がりベルト機能」と呼んでいます。
○背負った時の「立ち上がりベルト機能」の有無を比較
それでは、こちらの機能が
「搭載されたランドセル」と
「搭載されていないランドセル」の
背負った時の違いを、
セイバンさんの公式サイトの画像をお借りして
わかりやすく比較してみました。
機能あり
肩ひもの付け根が立つことで、ランドセルと背中がぴったりくっつき隙間が無くなっています。
ランドセルもまっすぐになり重心が身体側に近くなることで、後ろに引っ張られるような重みが少なくなります。
また、背中全体で支えているので身体にかかる負担も分散されます。
機能なし
「機能あり」のものと比較するとわかるように、肩ひもの付け根が寝てしまいランドセルと背中の間に距離ができています。
ランドセルも斜めになり後ろに引っ張られる形で重心が傾いてしまいます。
また、重みを腰で支えている状態になるので、腰に負担が集中してしまいます。
引用元:セイバン
○「立ち上がりベルト機能」の見分け方
この機能が搭載されていると、
肩ひもが付け根から上に向かってまっすぐ伸びた後に
緩やかな弧を描きながらカーブしていきます。
この機能がないと肩ひもは、
付け根からぺたーんと寝てしまいます。
しかし、この機能は主に、
肩ひもや背カンに『内蔵』されていることが多く、
外見ではすこし見分けにくいかもしれません。
そこで、ランドセルに使用される
主な立ち上がり機能搭載のものをご紹介します。
- 天使のはね
- フィットちゃん
- ウイング背カン
出来るだけ上のような
立ち上がり機能付きのランドセルを選ぶことをおすすめします。
背カンの比較ポイント③「素材」
3つ目最後の比較ポイントは、
背カンのアーム部分の「素材」です。
これは主にランドセルの『耐久性』に関わってくるポイントです。
そもそも、ランドセルの背カンは大きく分けると、
肩ひもを固定する「アーム部分」と、
背あて部分に固定される「本体部分」の2つパーツで構成されています。
この2つのパーツでもっとも重要なのが
肩ひもがスライドするときに負担がかかるアーム部分です。
このアーム部分の『素材』が違うと耐久性が変わってきます。
アーム部分の素材は、
大きく分けると『樹脂製』のものと『金属製』の2種類があります。
この2つの素材の違いについて比較しながらご説明していきます。
○樹脂製のアーム
耐久性 |
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耐水性 |
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安全性 |
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ランドセルに使用される樹脂パーツは、
主に『エンプラ(エンジニアリングプラスチック』と呼ばれる、
大型の機械などにも使用される「丈夫で軽い」プラスチックが使われます。
樹脂アームは、柔軟性による高い耐久性をもち、
雨や汗などの濡れても劣化しにくく、
金属アレルギーを起こす心配も無い優れた素材です。
ただし、海外製のランドセルの場合、
粗悪な樹脂で作られていたりして耐久性ガクッと落ちることもあります。
比較するときは、安心の日本製であることをチェックしましょう。
- 天使のはね
金属製のアーム
耐久性 |
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耐水性 |
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安全性 |
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ランドセルに使用される金属は、
主に錆びにくいチタン製などのものがあります。
チタン製のものは金属アレルギーも起こしにくく頑強なのですが、
樹脂製のものと比較すると、
金属疲労や錆び(酸化)などの経年による耐久度の劣化が出やすくなります。
また、金属製でも海外製のランドセルは要注意が必要です。
なぜなら、まれにアレルギー以外に
身体に悪影響を与える成分が含有されている可能性があるからです。
日本製など比較的に信頼性の高いものを選びましょう。
- フィットちゃん
- ウイング背カン
おすすめは『天使のはね』と『フィットちゃん』
ランドセルの背カンを比較するポイントを
3つに分けてご紹介いたしました。
最後にこれまでのポイントをおさらいする意味もこめて、
数ある中からおすすめをご紹介いたします!
身体の小さなお子さまのおすすめは『天使のはね』
タイプ | 連動型スライド | ||
---|---|---|---|
搭載機能 | 立ち上がりベルト機能 | ||
アーム素材 | 樹脂 |
『天使のはね』といえばCMでおなじみの
ランドセルの大手メーカー『セイバン』さんが開発したパーツです。
セイバンさんのショップ以外でも、
イオンさんや百貨店などの限定商品の天使のはねランドセルにも使用されています。
大きな特徴は、特殊な柔らかく丈夫な樹脂パーツを内蔵することで、
「ランドセル軽く背負えて、安定しやすい」機能が付いていることです。
立ち上がりベルト機能もすべてのランドセルに搭載され、
とても軽く背負うことが出来ます。
またセイバンさんの『天使のはね』に使われる樹脂パーツは、
劣化した状態での耐久試験などを繰り返し行い、
それらのテストにも耐えることの出来る一級品です。
きっと、お子さまのハードな動きにも6年間しっかり耐えてくれるでしょう。
大きな身体のお子さまのおすすめは『フィットちゃん』
タイプ | 非連動型スライド | ||
---|---|---|---|
搭載機能 | 立ち上がりベルト機能 | ||
アーム素材 | 主に樹脂(金属パーツもあり) |
フィットちゃん背カンは、
名前からわかるようにランドセルの大手メーカー『フィットちゃん』こと
株式会社ハシモトさんが作ったパーツです。
OEMとして工房系など様々な人気ブランドでも採用されています。
大きな特徴は、肩ひもが左右別々に広がるように設計されていて、
「ランドセルが着脱しやすく、身体に合わせてフィットしやすい」機能が付いていることです。
全てに立ち上がり機能が付いており、
ランドセルをとても軽く背負うことが出来ます。
素材は、樹脂製のものが一般的ですが、
ブランドによっては金属パーツで出来ているものもあります。
可能であれば樹脂パーツのものを選んでいただきたいですね。