よくランドセルの工房系とよばれる人気ブランドで『手縫いランドセル』といったワードを見たりします。

『手縫い』と聞くとなんだか「職人さんがひとつひとつランドセルを丁寧に作っている」イメージがあってとても惹きつけられますよね。

「やっぱりランドセルを選ぶなら、工場の機械で作られているものよりも手縫いの方がいいのかな?」

なんて、思われる方もいるのではないでしょうか。

 

しかし、じつは『手縫い』も『ミシン縫い』それぞれ長所短所があり、一概にどちらがランドセルに良いとはいえないのです!

 

そこで、こちらではランドセル選びの参考にしていただく為に、それぞれの特性についてお話しながら、本当にランドセルに必要な『縫製』についてご紹介していきます。

ランドセルは『手縫い』と『ミシン縫い』どちらも大切

ランドセルは、教科書などを入れる大マチ、小物を入れる小マチや前ポケット、背あて、肩ベルトなど様々なパーツが組み合わさり作られています。

ランドセルのパーツを組み合わせる際にとても重要なのが、『縫製』です。

しかし、縫製はそれぞれのパーツに合わせて糸の太さ、縫い方や強さなどを変える必要があります。

 

例えば、負荷かかりやすいパーツには、太い丈夫な糸でしっかり縫わなければなりませんし、ランドセルのデザインに影響してしまうようなパーツは細い糸での縫製やキレイに揃った繊細な縫い目が必要になります。

これをすべて手で行う為には、高い技術と長い時間が必要になり、作れるランドセルの数も少なくなってしまいます。

そこで、できるだけたくさんのお子さまにランドセルを届ける為に、多くのメーカーさんはパーツに合わせて『手縫い』と『ミシン縫い』の2つの特性を活かして使い分けています。

『手縫い』と『ミシン縫い』の特性

それでは、ランドセルの2つの縫い方には、それぞれのどのような特性があるのかご紹介します。

『手縫い』

  • 複雑な縫い方も可能でほつれにくい
  • 細やかなパーツでもしっかり縫うことができる
  • 太い糸を使った縫製が可能
  • ミシンよりも時間がかかる
  • 美しく丈夫に縫う為にはかなりの技術力が必要

優れている点は、「機械では針が通りにくい部分を力強く縫えること」と、あらかじめランドセルの革に針を通す為の穴を開けておくことで『0番』と呼ばれるような「太く丈夫な糸や特殊糸を使用することができる」ことです。

ただし、手縫いは職人さんの技術力によって丈夫さや美しさに違いが出やすく、ランドセルごとにムラがあります。

手縫いが適しているランドセルのパーツ
かぶせと錠と錠前金具のつなぎ目、ダルマカンと下ベルトのつなぎ目、背あてと本体のつなぎ目など、
荷重のかかるパーツのつなぎ目部分全般。

『ミシン縫い』

  • 複雑な縫い方ができないものがある
  • 細やかなパーツの縫製は熟練したミシン捌きが必要
  • 太い特殊な糸が使えないものがある
  • 手縫いよりも圧倒的に早い
  • 均一に力強く縫うことが可能

優れている点は、なんといってもスピードです。ランドセルをたくさん作る為には欠かせません!

また、素早く均一の力でしっかり縫うことができるのでバランスよくしっかり縫製することができます。

ただし、一般的な工業用のミシンの場合、手縫いのようなほつれにくい縫製が難しく、太い針が使えないものもあるので、太く丈夫な特殊糸で縫製できないこともあります。

※複雑な縫い方や特殊糸を使える最新の機械も存在します。

ミシン縫いに適しているランドセルのパーツ
ランドセルの表と裏の革の張り合わせなど、その他全体的なパーツ

『ミシン縫い』のよくある勘違い

ランドセル手縫いミシン ミシン縫い

ランドセルの『ミシン縫い』と聞いた時によく勘違いしてしまいがちなのが、その言葉から連想されるイメージです。

『手縫い』は、お裁縫のようにチクチクと針を通して少しずつ縫う言葉通りのイメージを浮かべる方がたくさんいらっしゃると思いますし、実際にそのイメージどおりの作業になります。

 

しかし、『ミシン縫い』と聞くとたまに大きな機械でオートメーションで、ガシャガシャとランドセルを作っているイメージを浮かべる方がいます。

これは、大手メーカーさんなどのように「工場でつくられている」という先入観があるからだと思います。

知ったように言っていますが、筆者も最初はそのようなイメージを持っていました。

 

しかし、実際は「まるで洋服を仕立てている」かのように職人さんが自らの手でミシンを使ってランドセルを縫製しているのです。

つまり、ミシンも手と変わらぬ職人さんの優れた技術を必要とする作業であるということを知っていただきたいのです。

多くの人気ブランドが『手縫い』と『ミシン縫い』

上記でご説明したとおり、現在人気のある多くのランドセルブランドのほとんどが、『手縫い』と『ミシン縫い』を使い分けてランドセルを作っています。

『手縫い』を謳う工房系ブランドも、じつは製造工程の大半はミシンを使っています。

また、逆に工場で大量生産しているというイメージの強い大手メーカーさんも、必要な箇所は職人さんの手縫いで作られているところも多くあります。

なぜなら、どちらも効率よく使ったほうが「高品質なランドセルをたくさん作ることができる」からです。

 

ランドセル作りのすべての工程を『手縫い』で行っているメーカー・ブランドは極々一部しかありませんし、あったとしても優れているとも限りません。

 

ランドセルにとって大切なのことは、『手縫い』ではなく「必要なところに必要な縫製が行われている」かどうかなのです。

ランドセルを選ぶときは『手縫い』にこだわり過ぎず、しっかりキレイに縫製されているかランドセルの現物を確認してみてください。

ランドセルの縫製技術で選ぶおすすめブランド

こちらでは、当サイトが独自の調査で優れていると思う縫製技術をもつブランドを、『手縫い』部門、『ミシン縫い』部門とそれぞれご紹介します。

ぜひランドセル選びの参考にしてみてくださいね♪

手縫いでおすすめ『大峡製鞄(オオバランドセル)』

大峡製鞄アイキャッチ画像

オオバランドセルを扱う『大峡製鞄』さんは、なんと今のランドセルの原型となる『学習院型』のランドセルを全国に広めるきっかけを作った、いわばランドセルの起源ともいえる歴史ある老舗ブランドです。

オオバランドセルは、皇室御用達としても選ばれる凄腕の職人さんの手で作られており、その縫製に始まる技術力の高さは業界でも一目おかれるほどです。

ミシン縫い以上の均一な縫い目の美しさが、ランドセルのディテールを良いものに仕上げています。

ミシン縫いでおすすめ『セイバン(天使のはね)』

セイバン アイキャッチ画像

天使のはねでおなじみの大手メーカー『セイバン』さんは、とても優れた高性能ミシンを所有しており、なんと通常の工業用の機械では難しいとされる複雑な縫い方が可能になっています。

また、『0番』などの太く丈夫な特殊糸も使用することができ、荷重のかかる背あてと本体の縫製も、まるで熟練の職人さんの手縫いのようにしっかり縫うことができます。

ミシン縫いの弱点ともいわれる「ほつれやすさ」を克服した縫製技術を持っています。

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